Memento mori
Teng jing-official part.2

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日本円の特殊性

2012年11月下旬、為替市場では安倍晋三・自民党総裁に対する注目がかなり大きくなっている。日本発信のニュースで為替市場がここまで変動するのも久しぶりのことだ。

11月に入ってから、安倍氏は日銀の金融政策に対して積極的な発言を繰り返している。日銀による国債の直接引き受けなど、中にはやや行き過ぎた発言もあるが、日銀に対して執拗なプレッシャーをかける姿勢を見て、海外勢を中心に円に対して弱気な見方が強まり、円売りポジションも相当程度積み上がっていると見られる。

安倍氏自身が本気で為替相場を円安に誘導するために日銀にプレッシャーをかけているのかどうかは定かではないが、同氏が主張するような金融政策をたとえ日銀に行わせることができても、少なくとも為替相場が中期的に円安方向に動くことはないだろう。

日本がデフレを脱却するために必要なのは、金融緩和によって市場に溢れている資金を実体経済に流す政府の施策である。具体的には財政政策、構造改革、規制緩和、税制改革など。係る施策を政府が本腰を入れて行わないのであれば、実体経済に資金が流れることは無く、いくら日銀が金融システムに資金を供給してもインフレにはならないだろう。

名目金利がゼロの状況下で、中央銀行がいくら国債を購入しても、供給される資金は銀行システムの中にとどまり実体経済には届かない。日銀が民間金融機関から国債を購入すると、民間金融機関は国債を日銀に引き渡す一方、民間金融機関の当座預金には売却代金が日銀から振り込まれる。しかし、民間金融機関は特に流動性に困っているわけではないので、当座預金に振り込まれた資金をそのまま積んでおくか、再び国債で運用するしか選択肢がない。

日本の通貨である円は主要通貨の中でも極端な動きをする特殊な通貨である。主要通貨(円、米ドル、ユーロ、英ポンド、スイスフラン、スウェーデン・クローナ、ノルウェー・クローネ、加ドル、豪ドル、ニュージーランド・ドルの10通貨)の年間の騰落率を見ると、円は08年には最も強い通貨となった後、09年は最も弱い通貨となり、10年、11年は再び最も強い通貨となった。そして、12年は今のところ最も弱い通貨となっている。つまり、過去4年連続で円は主要通貨の中で「最強または最弱通貨」になるという両極端な動きをしている。そして、今年の円は年初来最弱通貨となっているため、このままだと記録を5年連続に伸ばすことになりそうだ。

円が極端に動く背景には、金利が極めて低水準である中で、金融市場の規模が大きく、資金調達も容易で、かつ個人や投資家が投資に向ける資金を大量に保有しているという国内事情がある。そのため、世界経済の状況が改善すると、円が投資先の通貨に対して売られ易くなる一方、日本人は多額の純資産を海外に保有しているため、何か日本経済・世界経済を不安定にさせることが発生し、リスクを避けようという気持ちが高まると、資金が日本に戻ってきて、巨額の円買いが発生してしまう。
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Author:teng jing
上海在住。公認会計士から経営戦略コンサルタントへ。

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